エクセル関数を使うと、セル内の改行を簡単に削除することができます。それには、SUBSTITUTE関数とCHAR関数を使います。SUBSTITUTE関数は、文字を、他の文字に置き換える関数です。SUBSTITUTEで、改行を空白に置き換えます。そうすると、セル内の改行が空白に置き換えられて、削除されるという仕組みです。セル内の改行を削除する時、全て一括で削除するのではなく、1つ目の改行は削除したいが、2つ目の改行は削除したくないという場合があります。セル内の改行を、全て一括で削除できる方法は他にもありますが、改行を指定して削除できるのは、SUBSTITUTE関数です。
SUBSTITUTE関数とCHAR関数を使うと、単純に改行を削除するという事だけでなく、改行を指定して削除できます。
目次
セル内の改行を全て削除する
セル内の文字列の改行を、SUBSTITUTE関数とCHAR関数を使って全て削除しましょう。CHAR関数は、CHAR(10)を使います。
CHAR(10)は、セルの改行を意味します。CHAR(10) → LF (Line Feed) 。Line Feedは改行の意味です。
B2に、A2の改行を全て削除する式を入力しましょう。
B2 =SUBSTITUTE(A2,CHAR(10),””)
B2の改行が、全て削除されました。
B2の式をドラッグして、「B3:B4」にコピーしましょう。
改行が全て削除されました!
セル内の改行を指定して削除
セル内の文字列の改行を全て削除するのではなく、1番目だけ、または2番目の改行だけ削除して表示したい場合があります。
セル内の文字列を、1番目の改行だけ削除してみましょう。
B2に、A2の1番目の改行だけ削除する式を入力しましょう。
B2 =SUBSTITUTE(A2,CHAR(10),””,1))
B2をみると、A2の1番目の改行だけ削除する式を入力しましたが、全て削除されて表示されています。
B2の式をドラッグして、「B3:B4」にコピーしましたが、やはり、全て改行が削除されています。
1番目の改行だけ削除した表示にするには、「セルの書式設定」で「配置」を、「折り返して全体を表示する」に設定しなければいけません。
折り返して全体を表示する
① 「ホーム」タブ→「配置」グループ→「折り返して全体を表示する」
② 右クリック→「セルの書式設定」
「折り返して全体を表示する」で改行
「B2:B4」を選択して、「折り返して全体を表示する」をクリックしましょう。
1番目の改行だけ削除されて、表示されました!
SUBSTITUTE関数
文字列の中にある指定された文字列を、他の文字列に置き換えます。 文字列中の特定の文字を指定して、置換えるときに使います。
SUBSTITUTE関数の書式と引数
SUBSTITUTE(文字列, 検索文字列, 置換文字列, [置換対象])
文字列 | 置換える文字を含む文字列を指定します。文字列が入力されているセル参照を指定することもできます。 |
検索文字列 | 置換する文字列を指定します。 |
置換文字列 | 検索文字列を検索して置き換える文字列を指定します。 |
置換対象 | 検索文字列に含まれているどの文字列を置換文字列と置き換えるかを、何番目で指定します。置換対象を指定した場合は、検索文字列中の指定した置換対象文字列だけが置き換えられます。 指定しない場合は、検索文字列中のすべての文字列が置換文字列に置き換えられます。 |
SUBSTITUTE関数の使用例
C2に、B2のファイル名の中にある「2016」を、「2017」に置き換える式を入力しましょう。
C2 =SUBSTITUTE(B2,2016,2017)
ファイル名は、「2017見積書」に置き換えられました。
C2の式をドラッグして、「C3:C5」にコピーしましょう。
「2016」が、「2017」に置き換えられたファイル名になります。
CHAR関数
数値で指定された文字を返します。種類の異なるコンピュータで作成したファイルから、コード番号を取得して、文字に変換することができます。
システム環境 | 文字セット |
Macintosh | Macintosh 文字セット |
Windows | ANSI |
CHAR関数の書式と引数
CHAR(数値)
数値 | 変換する文字を表す 1 ~ 255 の範囲内の数値を指定します。 文字は、コンピューターで使用されている文字セットから返されます。 |
セル内の改行を削除する関数
エクセルSUBSTITUTE関数とCHAR関数を使うと、セル内の改行を指定して削除できます。セル内の改行を全て削除せず、指定した改行だけを削除する場合は、SUBSTITUTE関数を使いましょう。
SUBSTITUTE関数の他にも、セル内の改行を削除できる関数はあります。CLEAN関数を使うと、同じように改行を削除できます。
CLEAN関数は、改行を削除できますが、セル内の文字を全て、一括で削除する関数です。SUBSTITUTE関数とCHAR関数を使うと、削除する改行を指定できますが、CLEAN関数はできません。目的によって使い分けていきましょう。
こちらの記事もご覧ください。⇒エクセルCLEAN関数でセル内の改行を削除!